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2016年7月22日 (金)

54回目 「前提条件」を疑え!     

54回目 「前提条件」を疑え!
      ー循環論だけでは語れないー  
   

<「危険性の少ない」ところで地震が起こる!>

Pdf_3 上の図は2010年(東北大震災の前)における、その後30年に震度6以上の地震が発生する確率の分布を示した図です。いわゆる地震ハザードマップといわれる図ですね。防災科学技術研究所の資料ですが、こういう資料を基に自治体は、対策を立案します。
 図でおわかりのように、2011年に東北大震災が起きた地域や、先日の熊本地震の地域は、確率の低い地域でしたし、阪神大震災もそうでした。
 東京大学教授のロバート・ゲラー氏はこれはそもそも間違った理論による予想であり、地震予知は今の段階では不可能だと断言します。何が間違っKatudannsou_pdf
てるかというと、地震は、各々その際の個別の条件に基づいて発生するのであり、以前発生した場所で周期的に発生すると「だけ」考えることが誤りだとのことです
 その下の図は、確率分布図に、活断層(赤色が主要な活断層でその他は黒で示されている)を重ね合わせた図です。「内陸型の地震」は活断層が原因とされているので、分布は重なっています。これは、断層を調査すると過去数十万年にわたって何度もずれた痕跡がみられる。従って将来も地震が発生する可能性が高いという理由によります。問題はその理屈「だけ」が正しいかということです。
 素人考えでもわかるのは、
①亀裂の入った岩盤に力を加えると必ず亀裂の場所で割れる。
②割れた岩盤の両側から力をかけると必ず割れた部分が変位する。
→これらは活断層で地震が発生する理由になりますね。
 でも
③割れていない岩盤が壊れるまで力を加えると、割れている岩盤が壊れるより衝撃が大きい。
→こういう力が加わると、断層のない場所でもおおきな地震が発生する可能性がありますね。
④割れていない岩盤で、厚みが同じ場合面積が大きいほうが、小さい力で割れる。
→ということは、断層の間隔が短ければ、丈夫な地盤かもしれない。(細長くなりすぎると弱くなるでしょうけど)

 「プレート間地震」の場合、発生のメカニズムは異なります。二つのプレートの片方がもう片方に沈み込んでいて、上に乗っかっているプレートが押されることでひずみがたまり、耐え切れなくなると先端が跳ね上がるというのが定説ですが、これなら周期的に繰り返し起こると考えられそうです。でもこれは、跳ね上がる部分がゴムのように「縮む」→「跳ね上がる」を繰り返すという「前提条件」の下で成り立つ話であり、もし壊れて引っ掛かりがなくなれば、次にどこでどうなるかは、わからなくなります。状況が変化するわけですね。

以上は、以前起こったことが繰り返し起こるとだけ考えるのは間違えてるかもしれないというお話です。

<見落とされる循環もある>

 逆に「目先の変化に気をとられると、大きな循環を見落とす」場合もある。Microsoft_word_140_pdf
 右上図は、マスコミでよく見るグラフです。過去140年の日本の気温変化を示しています。通常平均気温が上昇している=温暖化が進行しているという説明に使われます。
 私が小学生の頃(1970年頃)子供用の学習雑誌に、「世界の気温は下がる傾向にあり、もうすぐ氷河期となる」と書かれていて、怖くなった記憶があります。青字は、私が書き込んだの401_3ですが、「1970年以降」を隠してみてみると、1940年~1970年にかけて、低下
傾向が見られます。その時点では、そのまま下がっていくと見ることもできますね。
 その下はずっと範囲を広げて地球の過去40万年の気温変化を示すグラフです。上の話は、右端の「A部」のごくわずかな部分を見ているだけで、全然意味のない議論だったことが解ります
 グラフをみればわかりますが、地球の気温はほぼ10万年で周期的に変化しており、今は温暖な時期にあることがわかります。
 あとこのグラフを見てわかるのは、①地球の歴史において今が最も温暖なわけではない。(誤った記述をよく見かけます。)②そのうち寒冷化に転じることが予想される。(これは本当に恐ろしい!)
 地震の周期説以上に10万年毎の気温の周期変化はメカニズムが解明されていない。従ってこちらも前提条件が漸次変化していく現象かもしれないので一概にはいえません。また地球の数十億年の変化が観測されれば、さらに異なる傾向が読み取れるかもしれないということですね。

<「わからない」ということがわからないと!>

これらは、「目先の変化にとらわれるな」という事なのですが、これらの見誤りは「正確な仕組みが解明されていない」ことに起因しています。
 例えば、「万有引力の法則により地球は太陽の周りをまわっている」ということが解明されるまでは、明日本当に太陽は東の空から上るのか、ということは経験的にしか語れなかったわけです。「いつもそうだから明日もそうなる」というレベルの判断なわけですね。言ってみれば、「地震予想は人間が万有引力の法則を知らなかった段階の知見からあまり違わない。」ということを正確に把握しておく必要があるという事です。

<経済成長に対する前提条件をどう設定するか?>

 私たちは、ある事実を前提にやるべきことを判断しています。「前提条件が変化している」ということを見落としていたり、思い込みによって、不確かな前提条件であるという事を忘れていることもある。そうすると、全く判断をを間違えていることもあり得ます。
 このことを痛感するのが「経済成長」というもののとらえ方だと思う。景気は循環するという説があり、その根拠として「在庫の循環」や「設備投資の循環」という学説があるようです。それらはそれなりに道理があるのでしょうが、今のように人口が減って必然的に全体が縮小しているということはそれらの説の根拠となる「前提条件の変化」を意味します。
 これは以前この場でお話ししたことがあるのですが、経済が成長する余地のある条件の下では、利益を再投資することで拡大再生産が可能になる。(これが「資本主義」の起源だというのがマックスウェーバーの説です。)ところが、全体が縮小しつつあるという「前提条件」のもとでは、ある集団が利益を得すぎるとその他の部分で縮小が増幅されるのが算数の結果なので、再分配することが行動原理として一番必要になりますね。

 今の政策は、この前提条件には立っていない。、「金融・財政政策によって経済を刺激すれば景気は回復し、かつてのような経済成長が可能になる」と考えている。この前提条件が誤りであるとすれば、これまで何兆円を無駄に刷ったことになるのでしょう!!これによって発生した借金についてはいったい誰が責任を取るのでしょう??気が遠くなりませんか?

<お金の話はよくわからない・・・>

 先ほど「政府がお金を刷る」という表現を使いましたが、実際的には日銀がパソコンに金額を入力するだけらしい。お金の話は本当によくわかりません。銀行がA社に100万円貸し出せば、銀行もA社も100万円の権利を持つことになるので、利息を返せるという条件さえ満たせれば、100万円が200万円の効果をもつことになるそうな。
 このへんをわかりやすく解説して欲しいと思われた方は「武田邦彦『現代のコペルニクス』#90 日本の重大問題(2)国の借金   
https://www.youtube.com/watch?v=6lDbR2VWoPw」をご覧ください。

 




 

 

 

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